失敗する事が苦手な女の子
小学1年生の女の子の作品です!!
彼女はまだ療育を受けて半年ぐらいです。
自閉症と診断をされていますが学校では普通級で頑張っています。
彼女は見通しが立っていない遊びや想像できないものは取り組まない事が多く視覚的に見せて伝えてもやった事がないため取り組めないです。
そんな彼女ですが好きな事も勿論あり普段家では1人で絵を描いている事が多いらしく、なので時折絵画教室に参加してくれます!
見本を提示しても描きたくない
絵画教室では大きく分けて二つのやり方に沿ってお子様に合った課題を作っています。
それは【デッサン 見本通りに描き見る力などを学ぶ】【自由画 自身で考え想像し表現する力などを学ぶ】です。
彼女に場合は自閉症と診断されているため、視覚優位のケースが多くデッサンなどを用いて自己肯定感の向上や画力の向上、表現力の引き出しを増やす。などコミュニケーションのツールとしても使えるスキルを増やしていければと思っていましたが、見通しの立たないデッサン(自身でその見通しを作らなければいけない事もあるため)や周りの子と比べ失敗(下手)したくない気持ちもあり、取り組む事が出来ませんでした。
こういう時は、子供が出来る事に意識を向け、そこから課題を作る方が子供も取り組みやすく、大人も強制することのないためストレスも軽減する事が出来ます。
私が彼女に伝えたのは
普段家で描いている絵をここでも出来るのか確認をし、描けそうだったので本人の描けるものを描いてもらいました。
写真の左側にある人を描いてくれました!
とても色使いや表現の仕方に魅力を感じたため本人に、①描いてくれた行動を褒める②描いた絵を具体的に褒める事を提示すると、嬉しかったようで絵のことについて説明までしてくれました!
失敗したくないから自分で決めれない
彼女が絵を完成させる前に私は彼女に課題を作りました。
それは背景を自分の好きなように描いてもらう(自己決定スキル)事です。
絵画教室に来てくれて、まだ3回目ぐらいの彼女には、もしかしたら課題が高すぎたかな。と思いましたが、もし難しければ先生と一緒に色遊びをして表現する楽しさを伝えようと思いました。
『素晴らしい人を描いたね! あとはこの人が寂しくならないように周りはどうする?』と聞きました。
少し手が止まりました。。。。。
私は『描かなくてもどっちでもいいよ!このままでいいと思うなら、これで完成ね』と言いました。
初めの質問だけなら選択肢は一つになっていたのです。『周りはどうする?』は描く事を前提に話していたので彼女にとっては失敗する道しか残っていなかった可能性もある。
でも『どっちでもいい』は選択肢を2つにしているため彼女にとっては少し気持ちに余裕が生まれます。
自己決定スキルがないお子様なので『描かない』=『何もしない』になり、今日はこれで完成でもいいかなと内心思っていました。(芸術は本人のペースを尊重するため)
でも彼女は違いました!
『しょーがないなー』といい筆を持ち、周りを何かの形を描くわけでもなく自由に手を動かせ始めました!
私はすぐに彼女の【描いた行動】と【描いた内容】を褒め、『もう少しここは〇〇みたいにしてみたら』と提示する事が出来、絵を完成する事が出来ました。
さりげなく入れた指示が彼女にとっては失敗するリスクもあったと思います。
でも彼女は最後まで楽しそうに描いてくれました!
描く前にいった『しょーがないなー』はおそらく、『しょーがないなー先生がいうなら描くよ。でも失敗したら先生のせいだからね』という彼女なりの受け止め方だったと思います:)
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